紅葉の旅 Day 1 忠別避難小屋まで

f0109977_02400089.jpg
 
山岳徘徊倶楽部も、とうとう初老と呼ばれても仕方のない年齢を迎えている。そんなこともあって、最近、夫婦の会話は、ネガティブ発言ばかり…。そんな僕たちが、何を血迷ったのか、2泊3日の縦走の山旅を決行した。紅葉の旅、第2弾は、果たして?




北海道の山は、9月の中旬といえば、紅葉の真っ盛りだ。先週、赤岳の日帰り登山で紅葉の旅を楽しんだ。長い冬が始まる直前の山は、燃えるような色に包まれる。
長らく閉鎖されていたクチャンベツの林道が開通した。僕らは、何度も、ここを利用していたが、長く辛い印象が濃く、いつしか候補から外れていた。実際、最近の山はお手軽になり、縦走と云えば、本州へ遠征し、食事付き山小屋利用で歩くスタイルが続いていた。
何故か、五色ヶ原を歩いてみたい、とママが言う。ハッキリ言って、自信が無い。重荷を背負うと3〜4時間が限度だな、と勝手に解釈していた。実際、今季、高原温泉から緑岳経由で白雲の避難小屋まででギリだった。
しかし、五色ヶ原を歩くルートは魅力的なものだ。その誘惑が勝った…。
 
山では何が起こるか分からないという覚悟で登る。以前からそう思っていたけど、今回は、もっとシビアだった。ひょっとしたら、目的地に辿り着けないかも知れない、というのも、より現実的に思えた。大沼の指定野営場で1泊するスケジュールも検討したが、このところの雨続きで、野営場は水没している可能性もある。大雪山は、基本的に、指定以外の場所で野営は出来ない。大沼を過ぎると、忠別かヒサゴ沼の避難小屋まで歩き続けるしかないが、僕らの足では、更に5時間超の時間を要する。時間的には問題ないが、要は、体力だ。計画の段階で、気力さえも充分ではないのに、最近衰えた体力が、一番の不安材料だった。
 
敗退覚悟、ビバーク覚悟の初日、クチャンベツの登山口を出発する…。
 
f0109977_10211580.jpg
唯一の渡渉地点
 
 
昔は、沢沿いの道を、何度か渡渉を繰り返して続く道だったが、増水する度に橋が流されるので、山腹を巻く道になった。それでも、渡渉が一回ある。やはり、水量は多く、慎重に渉る。
沼ノ原に到達する前に、一度だけ辛い急登がある。ここは頑張らずに、一歩一歩、息を整えながら登る。休憩も、場所では無く時間で摂るようにする。いつになく、慎重だった。
 
f0109977_10251550.jpg
急登です
 
 
2時間で沼ノ原の入口に着く。タイムスケジュール通りだ。勿論、僕たちの足に合わせたスケジュールだから、これを参考にしないでね。
あいにく、天候は曇りで、遠望が効かない。待望のトムラウシの姿に感激するのがベストなんだけど、今日は、スッポリと雲の中…。
 
f0109977_10300677.jpg
草紅葉の沼ノ原
 
f0109977_10351850.jpg
時折、青空も覗くが、山々は姿を見せない
 
 
やはり、大沼の野営場は、ほぼ水没していた。残る砂地に、無理にテントを張ったとしても、僅かな雨で浸水しそうだ。
沼ノ原の木道は長く続く。歩きやすいが、これが、意外に足裏に堪える。大地のクッションが如何に優しいか分かる瞬間だ。夏には様々な湿原植物が咲く高層湿原は、すっかりと草紅葉が拡がり、寂しささえ漂わせている。やがて、木道は終わり、道は、灌木帯に入ってゆく。それは、まさに、秋色の中に入ってゆくということだ…。
 
f0109977_10525194.jpg
 
f0109977_10572621.jpg
道は一旦下る
 
f0109977_10583291.jpg
次の急登が、山肌に見える
 
 
五色の水場まで、一旦、標高を下げる。その途中から見える急斜面に、登山路が見えてくる。下部は泥んこで有名な悪路だ。あれを登り切れば、五色ヶ原への入口に向かい、長いだけで緩斜面が続き、五色岳へといたる。夏だと、花々に癒され、百花繚乱の五色ヶ原だけど、今回は、我慢の道になるかも知れない…。
 
五色の水場で休憩し、泥んこ道に挑む。しかし、長い年月で踏み固められた所為か、以前よりは歩きやすくなっていた。これも、雨の直後だったら、滑りやすい道になるだろう。何とか通過し、沼ノ原を見下ろす位置に来ると、普通の登山路になる。
 
f0109977_11401993.jpg
 
f0109977_11403236.jpg
沼ノ原を見下ろす
 
  
ここからは、しばらく、風光明媚な沢沿いの道を歩く。今では木道が敷かれ、その風情も演出される。ま、木道が敷かれるのは、風情のためではなく、道が荒れないようにするためだけど…。
 
f0109977_13102438.jpg
秋色が深まる
 
f0109977_13104343.jpg
沢沿いに、道は辿る
 
f0109977_13115143.jpg
庭園の様だ
 
f0109977_13125479.jpg
束の間の青空
 
 
さながら日本庭園の様な散策路が過ぎると、這松帯に入ったり出たりを繰り返す。木道の切れたところは泥んこの悪路になっている。ママはスパッツをしているが、僕は、スパッツを付けない派(←そんなのあるか?)なので、ズボンの裾は泥だらけ…。乾いたら汚れは落ちるんだと、気にもしない。但し、靴下は濡らせないので、これでも気を遣って歩いているのだ。
 
f0109977_13192001.jpg
這松帯の中
 
   
この辺りで、一瞬、五色岳が霧の中から見えた。何となく距離感が掴めて安心する。以前の記憶も、ほぼ正確だった。もう、頑張らなくても、充分に間に合うことが分かった。五色ヶ原の核心部では、夏の日の記憶を蘇らせ、一面に咲く花々を思い起こした。花の時季に訪れたいと思うが、暑い分だけ、今日よりも過酷になることが分かっている。
 
f0109977_13251193.jpg
五色岳を捉える
 
f0109977_13254620.jpg
もう間近に迫る
 
 
五色岳には、7時間弱で到達した。計画通り歩けたが、これは一般的には、スローペースという。ヒサゴ沼まで行ける時間と体力は残っていた。自分でも驚きだった。しかし、混雑が予想されるヒサゴ沼を避けて、予定通り、忠別の避難小屋を目指した。曾て、ここからの下りは、這松トンネルと呼ばれ、薄暗く陰気な道で有名だったが、名物の這松の枝は切り払われ、快適な道に変容していた。ちょっと、拍子抜け…。
 
f0109977_14282485.jpg
這松のトンネルになっていない
 
f0109977_14291776.jpg
クロマメノキの紅葉
   
  
f0109977_14501893.jpg
 
ガスが濃くなり、辺りは真っ白になる。紅葉の旅の初日、その全容はベールに包まれ、明日以降の天気次第になる。小屋の脇の雪渓の場所に着いても、小屋が見えないくらい、霧は深い。忽然と現れた小屋を見て、僕たちの初日は終わる。一番乗りで、まだ、誰もいない。旅は始まったばかりだけど、僕たちは安堵感と充実感に包まれていた。「ここまで来られた」という、曾ては思いもしなかった至極当然だったことが、今では、特別なことになっている事に気付くのだった。
 
結局、10人ほどの旅人が訪れ、夜の静寂を迎える。
 
  
さて、次回は、こんな風景から始まります…。
f0109977_14442136.jpg

by meo_7 | 2014-09-16 14:52 | 登山(山岳徘徊倶楽部) | Comments(0)


時々、想うこと…


by MIURA@オイちゃん

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

全体
登山(山岳徘徊倶楽部)
僕と音楽
徒然に…
ちょっとした旅
カメラ
山の道具あれこれ

最新の記事

昆布岳 落ち葉の登山路 20..
at 2017-10-21 17:47
白雲山・天望山(後編)アルペ..
at 2017-10-02 01:59
白雲山・天望山(前編)アルペ..
at 2017-10-01 00:32
大雪山紅葉の旅 プチ縦走(後..
at 2017-09-20 13:46
大雪山紅葉の旅 プチ縦走(前..
at 2017-09-19 05:24
道東弾丸ツアー 斜里岳(後編..
at 2017-09-13 20:47
道東弾丸ツアー 斜里岳(前編..
at 2017-09-13 11:23
道東弾丸ツアー 西別岳・リス..
at 2017-09-12 21:29
白樺山〜シャクナゲ岳 プチ縦走
at 2017-07-28 23:02
花の山旅 ニセイカウシュッペ..
at 2017-07-27 14:01

以前の記事

2017年 10月
2017年 09月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 02月
2016年 12月
2016年 10月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 01月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 01月
2013年 11月
2012年 07月
2010年 01月
2006年 12月
2006年 11月

お気に入りブログ

やぁやぁ。
風街角
pode ser um ...

外部リンク

お薦めのホームページ

最新のコメント

翼さん、こんにちは。 ..
by meo_7 at 16:33
トップの写真、演出かもし..
by windy1957 at 10:33
てばまるさん、こんにちは..
by meo_7 at 22:16
いや~~~~~素晴らしい..
by てばまる at 15:15
yahさん、こんにちは。..
by meo_7 at 19:28
三浦さん、こんにちは! ..
by yah-_-yah at 14:50
翼さん、ありがとうござい..
by meo_7 at 11:39
いいね、やっぱり。 不..
by windy1957 at 10:23
てばまるさん、こんばんは..
by meo_7 at 23:14
クマガイソウというとなん..
by てばまる at 22:04
翼さん、まったくその通り..
by meo_7 at 20:30
辛い思いをしても逢えず仕..
by windy1957 at 17:33
てばまるさん、こんにちは..
by meo_7 at 16:13
このローアングルからする..
by てばまる at 09:29
翼さん、ホント、野に咲く..
by meo_7 at 14:49

検索

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

登山
カメラ

タグ

画像一覧

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31