白雲山・天望山(後編)アルペン踊り 2017/09/27

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(彼女の撮影)
 
 
 白雲山を後にして、僕たちは、次の目標の天望山に向かう。直ぐ隣にある山だけど、一度、標高を下げ、再び登り返すという登山路は、僕には難行だ。さっちゃんは、相変わらず、ヒョイヒョイと軽快に歩く。一方、彼女の方は、幾分、登山靴に慣れてきたのか、いつものペースに戻りつつあるようだ。さて、どんな光景が待っているのか…。




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山頂を後にする(さっちゃん撮影)
  
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ブランコで一休み
 
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 登山道は、笹が覆い被さり、足下の見えないところもある。初夏に整備をされていても、笹の葉は成長し、自然を育む使命を果たしている。人間様のお通りだ!というわけにはいかない、大自然の掟が、そこには、ある…。さっちゃんは、この笹被りの道で、ダニに悩まされたという…。もう、活発に動き回る季節ではないけど、時折、裾を払い、身体をパタパタと叩く…。僕は、若い頃、「街のダニ」なんて揶揄された頃があったから、まあ、仲間のようなものかも知れない。でも、嫌われ者らしいから、ちょっと、焦った…。この大自然に似つかわしくないことを思い浮かべ、登山道は、ジグを切りながら、急激に下ってゆく。木々の間から垣間見える然別湖の美しさに癒されながら、僕は、この道が好きになりそうだった…。
 
 
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新バージョンか…
 
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 標高にして200m程下ると、天望山への分岐に着く。見上げると、笹の中、急斜面の登山道が続いている。また、200m程の登り返しだ。天望山は、白雲山と違い、登山路に岩の露出はない。だからなのか、彼女の歩き方は、当初の不安さを見せていない。その証拠に、僕はついてゆくのに精一杯になった…。
 
 
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天望山も急斜面…
 
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(さっちゃん撮影)

 
  
 結局 、いつも通り、僕は遅れ、このトリオ本来の到着順で、天望山山頂に着いた。山頂には、白雲山でも一緒だった若者グループも先着していて、少しばかり談笑する。若者はいつも元気で、溌剌としているね。ヘロヘロで着いた僕も、少し元気をもらって、頑張ろう…。当初の計画では、これから先は、分岐まで戻り、近くの南ペトウトル山を狙う予定だったけど、出発が遅かったことと、せっかくだから、東雲湖を訪れて、湖畔の道を辿って帰ることにした…。というわけで、ゆっくりとランチタイムを楽しむ。彼女が背負ってきた水と、ガスストーブでお湯を沸かしてもらい、僕とさっちゃんは、温かなカップ麺とおにぎり、彼女は、ちょっと洒落て、ペペロンチーノ…。彼女は、ガスストーブのデビューを果たした。これで、彼女の山旅も、バリエーションが増えて、楽しみになるかも知れない。山の中では、ガスの火が逞しく思える事がある。ソロ山行では、尚更のことだ…。

 さて、天望山での山頂を3人で独占すると、思いっきり楽しむイベントがある。何と、僕も参加してみたが、この上なく不格好だと評判になった…。アルペン踊り…。
 
 
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 改めて写真を見ると、照れくさいだけだ。悪ふざけは好きだけど、無邪気じゃない僕だ。あ、邪心があるって意味になるか…。さっちゃんは、facebookに、もっと足の上がっていない写真をセレクトして、僕を笑いものとして晒した…。こちらでは、少しだけ名誉挽回をしようとして、最も足の上がっているものを掲載したが、人気のないブログでは、効果はたかが知れてるね…。
 
 山頂でのひとときを終え、僕たちは、下山する。といっても、周回することになったので、道は遠い…。
 
 
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東雲湖
 
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ゴゼンタチバナの実
 
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イワツツジの実
 
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 実りの秋、というが、この山の中でも、正に、実りの秋だった。ゴゼンタチバナの実は至る処で見られる。イワツツジの実も真っ赤に燃えているようだった。ガンコウラン、クロマメノキ、クロウスゴなど、どれもこれも、美味しそうに見えるが、食べたことはない。そんな道を歩いていると、彼女が、突然…、
 
「なんて、不自然な色!」
 
と、小さく叫んだ…。
 
「どうして?」

「だって、こんな自然の中で、こんなに鮮やかな青色って…」

確かに、そうだ。一際目立つコバルトブルーの色は、敢えて、ペイントされたようで、自然に溶け込んでいるとはいえないかも知れない…。それは、ツバメオモトの実だった。しかも、登山道沿いに、延々と続いている…。花の時季には、どんな道になっているのだろう…。
 
「こりゃ、花の時季に来てみないとな…」

「そうね…」

花の季節を思い浮かべ、この山道を想像する…。花追い人としては、やっぱり、そんな季節が気になる…。きっと、来年の春、再訪するだろうという予感を抱きながら、コバルトブルーの輝きを撮影した…。上手く撮れないのは、いつものこと…。
 
 
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ツバメオモトの実は、コバルトブルー
 
 
 さっちゃんの姿が見えなくなってから、随分と時間が過ぎた。撮影込みの彼女と僕は、その分だけ時間が掛かる。さっちゃんは、パワーとスピードを兼ね備えている。彼女は、そんなさっちゃんに憧れている。今は、とても敵わないかも知れないけど、徐々に力を付けている彼女は、いつか、さっちゃんに近付く日が来るかも知れない。北海道の山の縦走では、一日に10時間超の歩行時間など、当たり前にある。ちょっと歩いたら山小屋が…、なんてところはない。山小屋にしたって、殆どが避難小屋だし、それ故、宿泊装備、食料も背負わなくてはならない。彼女は、山岳写真や、花の写真にも興味を持った。宿泊山行を体験して、実は、山の朝夕が、風景は美しく、光り輝いて、写真としても素晴らしいものが残せることを知った…。もっと力を付けて、そんな経験を増やしてゆくだろう…。そう思うと、彼女の旅は、始まったばかりなのだ…。だからこそ、夢は膨らみ、未来は輝く…。楽しかったことばかりではなく、挫折も味わうだろう。その一切合切が、山で教わる総てなのだ。力を付けるということは、そういうことだ。
 
 彼女は、霜に纏われたクロマメノキの紅葉の写真を撮りながら、「健気」と思ったそうだ。それは、寒さで凍えていても、必死に生きている命を、そう感じたのだ。健気とは、逞しく生きるということ、それも、人知れず…。山を歩き続けて、そんな想いを積み重ねて彼女は、彼女自身も、健気に生きてゆくのだろうか…。
 
 
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旅も終わりに近付く…
 
 
 さっちゃんは、1時間も早く着いて、待っていた。ニコニコと迎えてくれる、あの笑顔のさっちゃんを、僕は、「爽やかさっちゃん」と呼ぶ…。爽やかさっちゃんにも、悩みはあるのだろうけど、いつも、人を幸せに包んでくれる。彼女が憧れるのも、無理はない…。僕より若いふたりだけれど、僕より、遥かに大人の部分を持っている…。それを感じる時、実は、嬉しいことだ。僕にも「若い」部分があるってことだから…。あ、それは、無理か…。
 
 
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爽やかさっちゃんと…(彼女撮影)
 
 
 下山後、近くの、かんの温泉に浸かり、すっかりと山旅の疲れをとった。さっちゃんの下山後のルーティーンは、温泉とソフトクリームとビールなんだけど、生憎、この季節にソフトクリームはパスしてもらった。温泉の後、鹿追町で、豚丼を食べられるところを探したが、見つからず、焼肉を食べた。勿論、さっちゃんはビール、彼女と僕はジョッキに入った水で、安着の乾杯をした…。呑兵衛のさっちゃんと、食いしん坊の彼女は、ご満悦だった…。

 
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かんの温泉
 
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美味しかった…
 
 
(完)

by meo_7 | 2017-10-02 01:59 | 登山(山岳徘徊倶楽部) | Comments(2)
Commented by windy1957 at 2017-10-03 10:33
トップの写真、演出かもしれないけれど、MIURAさんらしい
プロローグって感じで、好きだなぁ… こういうの。
ラピスラズリのようなブルー。調べたら、ツバメオモトの実
は毒成分があって、鳥も食べないみたいですね。同じブルー
でも、ジャノヒゲの実とは繁殖戦略が違うみたい。

秋の森歩きが恋しくなる頃。
タイムリーなMIURAさんの文章でホンワカしてます。
笑っちゃいました。
おちゃらけてる時は顔も笑わないとね、MIURAさん。
Commented by meo_7 at 2017-10-03 16:33
翼さん、こんにちは。
ツバメオモトの実は綺麗だけど、食欲をそそる色ではないのが救いですね。
秋に初めて訪れた然別湖でしたが、なかなかの紅葉でした。
でも、花の時季に再訪してみますね。 

ハイ、ちょっと照れくささが前面に出て、笑顔を忘れていました。次回、気を付けます。って、次回は、無いか…。


時々、想うこと…


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