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アンギラスのツクモグサ

北大雪のニセイカウシュッペ山に向かう。
登山路は緩やかで、急激な登りは殆どない。
しかし、この時季は、残雪の様子次第では、片斜面の長いトラバースを強いられるし、高度感もあり、緊張が胸を締め付ける場面もあったりする。
お目当ての花は、こんな厄介な時季にしか見ることが出来ない。
 
登山口から、のんびりと歩き始める。
先ず、思ったのは、雪が少なすぎる、ということだった。
幾年か前の同時期、長い雪渓のトラバースで、ママの足が痙り、敗退した記憶が蘇る。
今回は、その雪がない。つまり、花の開花も早いということだ。
僕は、半ば、お目当ての花との出会いを諦めかけていた…。
 
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サンカヨウ
 
低山では初夏の花が咲いているが、さすが、北大雪の山は、まだ春の花が咲き始めたばかりだった。淡い期待を抱きながら、のんびりと、花を撮影しながら歩く。スキー三昧の季節が終わり、花の山旅にシフトしたのは気持ちだけで、足腰は夏道向きになっていない。
 
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コミヤマカタバミ
 
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ミツバオウレン
 
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エゾイチゲ
 
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ツバメオモト
 
春の花を愛でながら、疲れすぎないうちに珈琲ブレイク。これが最近のスタイルだ。標準タイムの1.5倍を目安に、ピークハントにこだわらない。下山の余力の様子を見ながら、無理をしない。楽しみは、山にいるということだけで充分だった。
 
いよいよ、目の前が開け、ニセイカウシュッペへの稜線が顕わになる。気分は上々になるが、相変わらず、歩みは鈍い…。しかし、この山は、天候に恵まれると、展望の山だ。右に目を移すと、表大雪の山並みが一望出来る。
 
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左の緩やかな山頂がニセイカウシュッペ山
  
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大槍
 
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小槍と呼ばれている
 
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表大雪の山並み
  
大槍の登りに掛かると、登山路の花も高山化してくる。こうした花と再会すると、夏山の到来を感じさせる。しかし、北海道では、その季節は、あまりにも短い。その特殊性が、百花繚乱の光景を生み出しているとも言えるだろう…。
 
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キバナノコマノツメ
 
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エゾコザクラ
 
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ジンヨウキスミレ
 
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ハクサンイチゲ
 
天気は、予報通りとは行かず、怪しげな雲が拡がり始める。しかし、大槍を過ぎた僕たちは、既に、この山行を成功させたも同然の気持ちだったから、別に気にもしていない。緩やかに弧を描く稜線上を歩き、通称アンギラスという細い尾根を間近にする。目的は、その一角に咲くというツクモグサなのだが、既に遅すぎたかも知れないと思いながら歩いていた。
 
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アンギラス
 
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ジムカデ
 
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イワウメ

 
丁度、アンギラスへの分岐点に着いた頃、ママがふたり組と何やら話をしている。どうやら情報をもらっているようだ。その顔がほころんだ…。慌てて追い付くと、まだ咲き残っているという情報に、僕も喜んだ。諦めかけていたアンギラスへと向かった…。
 
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アンギラスへ
 
アンギラスへの道は、一般登山道ではない。半分は明瞭な踏み跡があるが、半分は笹藪に覆われている。その急斜面は、足下が見えないばかりか、とても滑りやすい。結構下るので、帰りも、相当の覚悟がいる。鞍部には雪が残り、いよいよ2度目のアンギラスへの道だ。いきなり、入り組んだ這松の洗礼を受け、それを潜り抜けたり、跨いだり、それが、バリエーションルートたる所以なのだ。
 
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ホソイワベンケイ
 
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ナガバツガザクラ
 
そして、とうとう早春の花、ツクモグサと出会った。孤高の花に相応しく、岩壁にへばり付くように咲いていた。数は、そんなに多くはない。既に終わった株もある。ギリギリ間に合ったという感じだ。先週の方が一層可愛かったと思う…。それでも、僕は満足だったし、ママは、完全な形で出会うのは初めてだった。
 
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ツクモグサ
 
出会いの後、尚も近辺を探訪する。アンギラスの山頂部まで移動したが、見付けられなかった。それはそれでいいのだった。孤高の花は、何処にでも咲いていてはいけない気がする。僕は、再び、戻り、風にそよぐツクモグサを、暫し眺めて、その場を立ち去る…。
 
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目的を達した途端、風雲は急を告げた。ポツンときたら、あっという間に本降りになる。慌てて雨具を着て、カメラを仕舞い、悪路と化したアンギラスを下る。案の定、笹藪の急斜面の登り返しは、喘ぎまくった。分岐に辿り着く頃、雨脚は弱まった。既に、登山者の姿は見えない。もう、山頂に登る理由も無いので、下山を開始する。
 
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ショウジョウバカマ
 
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雨にむせぶ大槍
 
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コメバツガザクラ
 
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大槍の背景は、雪を抱く表大雪
 
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エゾツガザクラ
 
雨は上がったが、帰路はぬかるみの道との格闘だった。ドロドロになった雨具のズボンは脱ぐこともなく、それでも、途中で珈琲ブレイクは忘れない。登り返しも含めると、僕たちにしては、良く頑張った。少しだけ、自信も持ち帰った山行だった。よしよし…。


by meo_7 | 2014-06-24 22:11 | 登山(山岳徘徊倶楽部) | Comments(2)


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