ピセナイ山は展望の山


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日高にあるピセナイ山は、標高こそ1,027mと低いが、日高山脈の展望台と知られる。札幌から車で3時間ほどで登山口まで着くが、林道の状況次第では、ゲートが閉じられ、5Km以上の徒歩を強いられることもある。しかし、登山口から2時間弱で登れる事からも、ゲートが閉じられていても歩く健脚者も多い。途中の林道には、ソラチコザクラ、ヒダカハナシノブなどの花も咲く。その時季は春の初めだからこそ、林道の整備も行き届いていないわけだ。
 
僕らは、当然だが、軟弱者だから、林道が開いているのを確認してから訪れる。6月も中旬になろうとしている。特に今年は雪が少なかったわけだから、花は期待できない。天候は絶好。展望だけが、楽しみだった。





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駐車場からの登山口
 
 
朝早く起きて、車を走らせる。静内辺りからは、左右にサラブレッドの牧場を見ながら、のどかな風景の中…。曲がりくねった道は、次第に山奥へと進んでゆく。静内ダムの橋を渡ると、ダートの林道が始まる。道は狭く、路面も快適ではない。ダート好きの僕も、さすがにアクセルは噴かせない。慎重にスピードをコントロールし、ハンドルも穏やかに…。その林道は、益々、曲がりくねり、狭まってくる。落石も頻繁にあるらしく、気が抜けない。長く辛いドライブだった。
 
途中、クリンソウが咲いている。さすがに、ソラチコザクラは見えない。運良く、林道終点の駐車場まで入ることが出来た。そこから、少しばかり林道跡を歩いて、いよいよ、登山口に入る。
 
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ズダヤクシュ
 
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登山道入口
 
 
登山道に入ると、途端に急登が始まる。地図で見ても直ぐに分かる細尾根を辿るルートは、所々、等高線が密になっている。予想していても、きついにはきついことに変わりはない。最近、少しずつ歩いてはいるけど、こんな急登は久し振りだった。登山時間そのものは短いので、急ぐ必要もない事をママに伝えて、ゆっくりと登る。
 
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国土地理院の地図
  
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上手く伝わらないけど、急登です
 
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ツツジが咲き残っていました
 
 
ピセナイ山の登山道には、合目表記をされている標識がある。総距離が短いので、標識の間隔も短い。それは、結構励みになるのだった。頑張っていないのに、頑張った感じがしたりするわけだ。急登は、距離にしたら、たいしたことはない。2合目には展望台との標識もあるが、木々に覆われ、そんなに展望は良くない。そこから4合目までは、斜度は緩くなり、平坦な道や下る道も出てくる。頑張ればご褒美が…、という感じだ。
 
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平坦な道でも、尾根は細い…
 
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タニギキョウ
 
 
疲れたときの慰みになる花は、殆ど、無い…。オオサクラソウの咲き残りを探しながらも、咲き終わったものばかり…。丁度、端境期に訪れてしまったようだ。お陰で、休む言い訳も出来やしないので、黙々と、ママについて行く…。
 
4合目を過ぎると、再び、急登が始まる。ここから、6合目(後から知った)の標高864m地点までが、僕には、頑張り処だった。時折、爽やかな風が、木々の間を縫ってやってくる。
 
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ママは、淡々と…
 
 
6合目は、所謂、稜線上に出る、という場所だ。ここで、休憩を摂る。直ぐに座り込んだので、あまり記憶がない。登山道は左に折れて、アップダウンを繰り返しながらも、概ね、快適な道が続く。しかし、山頂は、まだスッキリとは見えない。
 
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7合目
 
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コバイケイソウ
 
 
7合目と8合目の間に、待望のピンクの花が、沢筋に残っているのが見えた。注意して下ると、ギリギリの咲き残りが数株あった。
 
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オオサクラソウ
 
 
9合目の標識が現れて、やっと、山頂をクッキリと視界に捉えた。山頂の僅かな部分が森林限界なのか、笹藪に覆われている。最後の登りは、急登とは言えないが、最後の試練であることに違いない。そして、日高の山々の全貌は、これを登り切るまで、姿を現さない。何と、ドラマチックなところに、登山道をつくったものかと思ってしまう…。
 
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9合目から山頂を望む…
 
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最後の登りのママ…
 
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ハクサンチドリ
 
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標識は見えども、山並みは捉えられない…
 
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山頂からの絶景
 
 
山頂は、僕たちだけだ。他に5人しか登っていなく、入れ違って、最後になったわけだ。こんな贅沢な場所だったけど、何気なく置いたザックを見ると、既に、ダニが幾つも這いずり回っていた。休憩も落ち着いていられない。おにぎりを頬張って、写真を撮って、ザックをパンパンとたたき、身体中チェックして、そそくさと、山頂から逃げ出す僕たちだった…。
 
山頂からの風景は、残念ながら、スッキリとしてはいなく、霞がかかったようだった。まあ、贅沢は言えません。もう、夏山だからね…。
 
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イドンナップ、ナメワッカ、エサオマントッタベツが見える
 
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カムイエクウチカウシ、ピラミッド峰
 
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コイカクシュサツナイ、1,839峰
 
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神威岳
 
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ペテガリ、中ノ岳
 
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ニシュオマナイ、神威岳、ピリカヌプリ
 
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ピリカヌプリ以南の山々が続く…
 
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アポイ岳が見える
 
 
山座同定は苦手なので、確かではない。とにかく、北日高から望む日高山脈は見慣れているので、新鮮だ。しかも、登ったことも、登ることを考えたこともない山々ばかりだ。いや、今から考えても、もう無理な稜線なのだ。
 
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ダニから逃げる…、いや、下山開始です
 
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左右は、深い谷です
 
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振り返り見る山頂
 
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ツツジの蜜を吸う蝶
   
 
下山は、あっという間だった。それでも、山登りでよくいわれる言葉に、「こんなところ、よく登ってきたね」という言葉を、何度発したことか…。急坂の下りは、太ももを痛めつけて、今回の山旅の目的を達成してくれる。そう、足を鍛えるために選んだ山なのだ。戻ってみると、ほぼ標準タイムで登り下りしたことを知る。僕にしたら、快挙だと喜んでいたが、ママは、全然物足りなさそうだった…。悔しいけど、これが、今の実力だ。最後の林内は、ゆっくりと歩く。登るときには見付けられなかったコケイランを見付けた。なんか、得した気分だった…。
    
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コケイラン
 
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クルマバソウ
 
 
再び、狭い林道を、慎重に運転する。もう、行き交う車も来ないだろうから、時折、車を駐めて、林道の景色などを楽しんだ。もう、訪れることもないだろうから、名残を惜しんでいるともいえる…。果たして、僕の体力増進計画は、効果があったのかどうか…。それは、次回の山で実感することになるのだろう。ま、そんなに、期待はしていない…。
 
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クリンソウ
 
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Nikon Df
AI AF Zoom-Nikkor 24-85mm f/2.8-4D IF

by meo_7 | 2016-06-12 17:07 | 登山(山岳徘徊倶楽部) | Comments(6)
Commented by yah-_-yah at 2016-06-13 13:50
ピセナイ山は日高の展望台ということで、興味はあるんですが未踏のままです。

僕はとにかくダニが怖くて、ダニがいっぱいいる所は敬遠がちになってしまいます。
それでもこの山は割と笹刈りされてる方なんじゃないかと思うのですが、
やはり脇の笹に触れるだけでもダニが付着するでしょうか?
ダニっていつの間にかくっついてるから怖いです。
それでも見える所にいるならまだしも、服の中に入られたら
気づかないうちに噛まれてたりしてホント怖いです。
Commented by meo_7 at 2016-06-13 15:06
yahさん、こんにちは。
ダニの多い山だというのは事前に聞いていたのです。
途中で付着したのは、7合目から8合目の間で、撮影の為にザックを下ろしたときです。
ザックは、背の低い草の上に置いたのですが、数分後には、数匹のダニが這い回りました。身体には無し。
 
次は、山頂です。
やはり、置かれたザックに寄ってきたのですが、色とか素材が関係するのか、派手な色の僕のザックが顕著でした。
 
石に腰掛けて、おにぎりを食べていましたが、その間、ズボンに数匹、シャツの背中に1匹(ママが発見)、付着しました。
 
そんな状態でしたので、笹藪に入るのは避けました。
結果的に、行動中に付着した形跡はなく、登山道を歩いている分には問題ないかと思います。
 
山頂は、裸地の周りが全部笹藪なので、住処になっているのかも知れませんね。
ある人の話では、立っていたら、足下の靴からズボンへと這い上がってきた、とも言っていました。
 
途中も下山後も、衣服を念入りに払って、互いにチェックし合いました。
勿論温泉に寄ったので、そこでも観察してみましたが、無事でした。
 
登山道自体は、刈り払われていて快適です。
注意を払えば、大丈夫ではないかと思いますよ。
 
レンズは200〜300mmあると、それぞれの山もクッキリと捉えられと思います。
三脚は、笹の背丈以上の高さは必要かと…。
僕は、両方とも持っていっていないんですが…。
 
Commented by てばまる at 2016-06-16 10:12 x
北海道の山の名前はカタカナが多いですね。有名なところ以外はなかなか覚えられません(^^;) 
尾瀬にもオオサクラソウの咲くところがあるのですが、先日見た限りでは咲いてませんでした。

高尾山も最近はダニが多くて、花探しで整備されてない作業道に入るもんですから何度か咬まれました。ときに股間も・・・ 変な病気さえうつらなければ痒さだけなんですけどね・・・

Commented by meo_7 at 2016-06-16 18:56
てばまるさん、こんにちは。
北海道でも日高の山は、ダニが多いらしいです。
今年は、特に多いらしく、情報が飛び交っていますよ。
僕たちは、藪こぎなんてしないスタイルですから、まあ、食い付かれる確率は低いとは思います。
 
今年の尾瀬の花シリーズを拝見しましたが、あのスズムシソウは、木の上に咲いているのですか?
また、イチヨウランですが、普通に歩いて見付けられるところに咲いているのでしょうか?
僕は、アポイ岳で、一度見たきりです。
 
Commented by てばまる at 2016-06-21 09:32 x
マダニは厄介らしいですけど、咬まれても自分で取らないで病院にといいますが、それを食いつかせたまま一晩とか嫌ですよね・・・(^^;)

フガクスズムシソウは高い木の上、低くても道からかなり離れているので双眼鏡でないと観察は難しいし、300㎜程度の望遠は必要ですね。でも比較的近いポイントもありますよ。ありそうな木は1本1本確認して探しまくったおかげでかなりポイント確認してます。

イチヨウランは、見つけられます! とくに尾瀬沼の奴は目立つのでちょっと心配なくらいです。
Commented by meo_7 at 2016-06-21 15:36
てばまるさん、ニセコの山は、ダニの姿は見ませんでした。
鹿の毛について運ばれると聞いていますから、鹿の生息数に比例するのかも知れませんね。

スズムシソウ自体を見付けるのに苦労しますから、高い木の上に咲くフガクスズムシソウを見付けられるには、その存在を知らなかったら、絶対無理ですね。
 
尾瀬のイチヨウランは、知らなかったし、話も聞かなかったです。
個体数も少ないのでしょうね。


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