富良野岳は、雲の上…
彼女は、こう呟いたことがある…。
「よく、山に登る理由を訊かれるけど、分からない…」
それが、正解なのだろうと、僕は思う。分からないから、また、山に向かうのだろう。きっと、山には、彼女の探している「何か」が、あるのかも知れないと、自分も気付かないまま、歩き続けるのだ。言い換えれば、彼女自身の、山に向かう「理由」を探しに行っているのだろうか。その答が見つかるのかどうか…、それも、関係ない。それすら受け止めてくれるのが、「彼女の山」だと、知るときが訪れる…。
人は、居心地のよい場所、帰るべき場所を求めている。それを、僕は、「心の故郷」と、呼ぶ。それは、いったい何処にあるのだろう…。長い旅路の果てに、それは、自分自身の心の中に宿ることを知ったとき、彼女は、もうひとりの自分に出逢う…。日常の挫けそうな日々、逃げ出したくなる弱い心、その一切合切を持って、心の故郷へ還るのだ。そこには、いつも、優しい笑顔で迎えてくれる、本当の自分自身がいるのだから…。
彼女は、きっと、そよ吹く風に…なる。それは、大自然の息吹になるということだ。それは、ありのままの自分になるということだ…。森を住処とする森の住人たちに、迎えられたと感じることが出来たとき、彼女の何もかもが、大いなるものに抱かれ、ひとつになってゆく…。そこが、心の故郷…。
by meo_7
| 2017-07-05 23:33
| 登山(山岳徘徊倶楽部)
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Comments(2)
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windy1957 at 2017-07-06 10:23
いいね、やっぱり。
不思議だけど、羅臼岳の雪渓でへばってしまった苦い思い出
が甦ったりしてね。あの時も、こんなふうにエゾコザクラが
風に揺れてましたよ。
今季の至仏山は、残雪が多くって難儀するみたいですね。稜
線に咲くあのチングルマの写真…
週末、迷ってたけど、やっぱり登ってこよっと。
不思議だけど、羅臼岳の雪渓でへばってしまった苦い思い出
が甦ったりしてね。あの時も、こんなふうにエゾコザクラが
風に揺れてましたよ。
今季の至仏山は、残雪が多くって難儀するみたいですね。稜
線に咲くあのチングルマの写真…
週末、迷ってたけど、やっぱり登ってこよっと。
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meo_7 at 2017-07-06 11:39
翼さん、ありがとうございます。
山が、そこに咲く花が、大好きだという人との山旅で、僕も、何かを刺激されたようです。
幾度も訪れたはずの富良野岳ですが、何か新鮮な気持ちに包まれました。
マンネリ化していた僕の感性を揺さぶってくれたのかも知れませんね。
とても、尾瀬が恋しくなりましたよ。
僕の原点ですからね…。
翼さん、あの花に出逢ったら、よろしくね、と言っておいて下さい。
この物語の女性が、いつか尾瀬を訪れたとき、エスコートをお願いね…。
山が、そこに咲く花が、大好きだという人との山旅で、僕も、何かを刺激されたようです。
幾度も訪れたはずの富良野岳ですが、何か新鮮な気持ちに包まれました。
マンネリ化していた僕の感性を揺さぶってくれたのかも知れませんね。
とても、尾瀬が恋しくなりましたよ。
僕の原点ですからね…。
翼さん、あの花に出逢ったら、よろしくね、と言っておいて下さい。
この物語の女性が、いつか尾瀬を訪れたとき、エスコートをお願いね…。