道東弾丸ツアー 西別岳・リスケ山 2017/08/23
花の季節が終わったら、紅葉に彩られた山々の美しさ、というイベントもある。丁度今は、その端境期ということだろうか…。それだけに、今回の山旅は、シンプルにピークを目指そうという、暗黙の了解もあった…。
道東を選んだわけは、天候の都合だった。当初の計画は、さっちゃんも含めて、3人でペテガリの計画だった。なんと、それが、林道の閉鎖というタイミングの悪さ。次の案は、新冠ルートの幌尻岳だったが、急遽、さっちゃんが参加出来なくなり、天候の予報も良くないという理由で、大雪山も考えたが、そこも雨マーク…。比較的、天候の安定しているのが、道東というわけだった。狙う山は、斜里岳…。僕は、2度目の挑戦になる。しかし、彼女は、移動日の初日、途中で何処か、登れるところはないかと検討したようだ。
「西別岳、行けないかしら?」
という連絡が入る。僕は、名前は聞いたことはあるが、詳しい場所も、登山に要する時間も知らなかった。そこで、早速、調べてみると、昼頃に登り始めて、3時間でピストンし、宿泊予定の清岳荘に間に合うことが分かった。彼女の山好きは、本物だ…。
早朝、午前6時半、札幌を発つ。高速を走り、道東の道に入る…。札幌圏に住む僕は、道東の過疎化を知らない。コンビニの一軒もない道を、車は、ひた走る。車のナビは、目的地を特定出来ず、道を見つけられないでいる…。そんな時、彼女の思わぬ才能が、助け船になる。スマホの地図を見ながら、彼女のナビゲートが始まる。そして、とうとう、西別小屋まで導いたのだった。
午後12時半頃、彼女は、ひとりで、西別岳登山口を出発する。長距離を運転する僕は、当初は登らないという予定だった。でも、それほど疲れも感じなかったことと、明日の斜里岳に備えて、少しだけ歩いてみる気になった。でも、一緒に行動するには自信が無かったし、僕に合わせて、せっかくの登頂が叶わなかったら大変だ。そう伝えて、ふたりは、単独行となった…。
単独行って、言葉の響きに憧れて、僕は、随分と、山をひとりで歩いた。苦しい道のりの中で、会話するのは、自分の心の中にしか住まない、もうひとりの自分自身だけだ。そんな時間が好きで、僕は、単独行を繰り返していた時代があった。総ての出来事を、自分ひとりで解決し、完結しなければならない。そうした経験が、僕を育ててくれた気がする。大自然と向き合うことは、闘いではなく、委ねることだと分かった。自然と一体になれたとき、大自然の一員として迎えてくれる…。そんな気がした…。抗わない、受け容れる…、そんな生き方を教えてくれた単独行…。彼女にも、経験して欲しいと、僕は、ひとりで出発する彼女を、見送った…。
by meo_7
| 2017-09-12 21:29
| 登山(山岳徘徊倶楽部)
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