大雪山紅葉の旅 プチ縦走(前編) 2017/09/16


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 層雲峡からロープウエーに乗り、テクテクと歩く…。リフトに乗り継ぐためだ。5合目のここは、まだ、初秋の雰囲気で、謂わば、僕の心は油断していたと言える。何気なく、木々の間から黒岳の斜面が見え隠れする…。そう、幕開けは、突然に…。圧倒的な、秋彩が、僕の目を釘付けにする…。




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エゾリンドウ
 
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エゾリンドウ(白花)
 
 
 リフトに乗り継ぎ、目指す黒岳の秋色に彩られた斜面が顕わになる。心は逸るけど、リフトのスピードは変わらない。天気予報は概ね晴れのはずだけど、青空の中に、雲が流れ、ガスも湧いている。今回の旅は、写真撮影に重点を置いているので、条件はよい。雲は、風景の変化を与えてくれるし、ガスは動きを表現してくれる。とは言っても、良い写真を撮れるとは限らないけどね…。
 
 リフトを降りると7合目の登山口が始まる。登山者名簿の記入で、既に渋滞だ。ママは、久し振りの本格的な山歩きだ。実は、腰にヘルニアを患っていることが分かり、自重している。でも、今年の大雪山の紅葉を見逃すわけにはいかないらしい。黒岳から銀泉台に下りる計画だけど、そこは、臨機応変に、黒岳だけで終わるかも知れない…。
 
 登山道には、晩夏の花が咲き残っている…。もう直ぐ、白い季節はやってくる。何とか間に合ったとしても、あまりに短い命だね…。
 
 
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ミヤマサワアザミ
 
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ナガバキタアザミ
 
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チシマヒョウタンボク(実)
 
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ミヤマアキノキリンソウ
 
 
 僕は、実は、この登山道が苦手だ。いきなり始まる急登が、延々と続くからだ。しかも、脚力は落ちているから尚更だ。それでも、まねき岩が見えてくる頃、気持ちは元気になる。生憎、ガスが湧き上がり、なかなか、展望は開けない。歩くには涼しいけど、紅葉も見たい…。
 
 
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まねき岩がガスに煙る…
 
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朝露に濡れるナナカマド
 
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水滴を蓄えて…
 
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 まねき岩の付近で、時折、陽が射した。雲の合間なので、スポットライトが舞台を駆け巡るように陰影を造り上げる。三脚を立てて待ち構えていたカメラマンたちが、一斉にシャッターを切る。僕のような俄カメラマンとは違うね…。
 
 
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霧と日射しと紅葉
 
 
 何故か、山頂の写真が無い。もう、数え切れないほど訪れているから、ただの通過点になってしまっているのだろう。それでも、山頂標識には、入れ替わり立ち替わり、記念写真の行列が並んでいた。曾て、僕たちも、歩んできた道だ…。
 
 山頂から石室までの山稜は、ウラシマツツジ、チングルマの鮮やかな紅葉が、カーペットの模様のように拡がっている。這松の緑とのコントラストも美しい…。初雪も降ったというから、黒ずんでいるかと思ったけれど、意外な鮮やかさに驚いたし、喜んだ。 
 
 
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紅葉の織りなすカーペットの道
  
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黒岳の石室が見えてきます
 
 
 表大雪の紅葉の時季は、大変な人出だ。この道も、ちょっとした渋滞になる。まあ、僕たちも、こうして訪れているのだから、当然のことだ。連休の初日の午前中に、既に、テン場ではテントが8張りほど張られている。おそらく、今夜は、石室もテン場も満杯になるだろう。明後日は台風がやってくる予報だから、この2日間に集中するだろうから、尚更だ。
 
 霧が晴れると、表大雪の山肌が顕わになり、秋の色彩が浮かび上がる…。何度も訪れた紅葉の時季だけど、こんなに完璧なのは初めてかも知れない。僕は、もう、この歳だから、喜びの表現も穏やかになってしまったけど、心の中のテンションはマックスだ。ひょっとしたら、顔はにやけていたかも知れない…。
 
 
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桂月岳
 
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黒岳石室
 
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北海岳・白雲岳方面
 
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正面は北鎮岳
 
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黒岳から訪れる人の流れ
 
 
 結局、石室にも寄らず、分岐を左に折れる。ママも、不調を訴えないので、このまま、歩き続けることにする。分岐の這松帯を抜けると、景色は一変する。あまりに、鮮やかすぎる…。単純にいうと、赤、黄、緑の三色しかないが、実は、数え切れないほどの微妙な色合いが混じり合っている。
 
 
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チングルマのカーペット
 
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赤石川に向かう道
 
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凄いです
 
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チングルマ
 
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鮮やかです
 
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赤石川
 
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渡渉します
 
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ナナカマドが真っ赤です
 
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赤い帯
 
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赤石川を振り返る
 
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緑色より赤色の方が多くなる
 
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ママも、呆然…
 
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チングルマが凄い
 
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紅葉の中に咲くミヤマリンドウ
 
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ママは、咲き残る花を探しています
 
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草紅葉も拡がる
 
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北海岳へ向かう道
 
 
 紅葉の中に包まれた沢沿いの散歩道を辿り、尾根の取り付に着くと、少し、急な道になる。北海岳への登りが始まる。すると、展望は開け、また、表大雪の山並みが顔を現す。相変わらず、雲は多く、ガスも流れる。一瞬で光景が変わるので、キョロキョロしたりする。
 
 
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ナナカマドと北鎮岳
 
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緩やかに登っていきます
 
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北鎮岳
 
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稜雲岳・桂月岳・黒岳
 
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稜雲岳
 
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北鎮岳
 
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稜線を歩く旅人…
 
 
 
 ヘルニア持ちとヨレヨレのコンビは、無事に北海岳に到達した。やっぱり、人は多い。それでも、白雲岳方面に向かう人たちは少なく、おそらく、お鉢巡りか、旭岳に抜ける人もいるのだろう。僕たちは、病人とヨレヨレだけど、このまま旅を続けることにした。もう、引き返せない道に入るわけだ…。
 
 
(後半に続く)



by meo_7 | 2017-09-19 05:24 | 登山(山岳徘徊倶楽部) | Comments(0)


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